「藤川貴央のクリニック・レポート」第14回


「藤川貴央のクリニック・レポート」
第14回アーカイブ

放送日
2020/08/08
出演
大阪梅田フェミークリニック 院長 井畑 峰紀
主な内容
「シミについて」
藤川アナ
今回はシミについて詳しくお話を伺います。井畑先生、よろしくお願いいたします。
井畑先生
よろしくお願いいたします。
シミについて
藤川アナ
先生、そもそもシミというのは何でしょうか。
井畑先生
前回、ホクロには細胞があるとお話ししたと思いますが、シミというのは色素の増量と考えてもらうと解りやすいかなと思います。
藤川アナ
つまり色素が増えているということでしょうか。
井畑先生
そうですね。特に部分的に増えているケースが多いと思いますので、それが人の目から見て、シミと認識されていると思います。
藤川アナ
人の目からそういうふうに見えるものといえば、そばかすもありますよね。そばかすとシミは別々のものなのですか。
井畑先生
はい。シミの一種としてそばかすがあると思っていただければと思います。
藤川アナ
シミという大きなジャンルの中の一つに、そばかすというものもあるという認識なのですね。お年寄りの老人性のシミというのもありますけれども、これは普通のシミとは違うものなのでしょうか。
井畑先生
普通のシミという表現が一番難しいのですが、これもシミというジャンルの中の一つに老人性のシミがあると思っていただければと思います。
藤川アナ
シミといいましてもいろいろな種類があるのですね。
井畑先生
はい。いろいろな種類に分かれますが、局所の色素の増量というと悪いイメージを持たれてしまうかもしれませんが、シミは基本的に良性で、後から皮膚表面に出てきたものという認識でいいと思います。
藤川アナ
シミは良性であるというのが一つの定義としてあるのですね。
井畑先生
はい。
シミができる原因について
藤川アナ
先生、そもそもシミというのはどうしてできるんですか。
井畑先生
遺伝的な背景もあれば、日焼けや日常生活のしぐさが関連している場合もあります。
藤川アナ
しぐさも関連するのですか。
井畑先生
はい。
藤川アナ
例えば、よく触っているなどといったことですか。
井畑先生
そうですね。それもシミの原因のひとつです。
藤川アナ
では、いろいろな意味で、あまり顔は触らないほうがいいのですね。
井畑先生
そうですね。適度なバランスというのはあると思います。例えば、触りグセがあったり、かいてしまったりすると、シミのように見えてきたりします。
藤川アナ
それはよくないですね。あとは日焼けですか。
井畑先生
そうですね。日焼けはすごく関係があります。
藤川アナ
紫外線というのは、やはり肌にはダメージが大きいのですね。
井畑先生
紫外線は、シミだけではなくて、たるみの原因になったり、色むらの原因になったりします。
藤川アナ
この季節は、特に女性は日焼け止めをしっかりと塗っておられる方がほとんどかと思うのですが、日焼け止めは1年間を通して塗ったほうがいいのでしょうか。
井畑先生
日焼けの対策というのは、季節問わず、基本的にはしておいたほうが良いです。
藤川アナ
紫外線を浴びていいことというのはあまりないのですね。
井畑先生
例えば北ヨーロッパなどでは、太陽に当たることがビタミンDの生産と関連しているという話があり、そういう方は軽く日光浴をしたほうがいいと思いますが、通常の生活をしていて、すごく日に焼ける場所へ行くのであれば、それはそれで対策はしておいたほうがいいです。
藤川アナ
この夏は特に大事なことですよね。シミは何歳ぐらいからでき始めるのですか。
井畑先生
シミの種類にもよりますが、幼少期や学童期ぐらいからできるものもあります。
藤川アナ
もともとあるシミというのもあるのでしょうか。
井畑先生
もともとある場合は、あざであるケースも考えられます。皆さんは同じように感じられるかもしれませんが、シミとあざというのはまた違うものです。
藤川アナ
シミは幼少期からだんだんでき始めていくということですか。
井畑先生
例えばそばかすの場合は、そのようなケースが多いです。
藤川アナ
男女での違いはありますか。
井畑先生
男女での明らかな違いというのは分かりかねますが、基本的には遺伝的な背景がありますが、個人的にはそばかすのある男の子というのは、女の子に比べると少し少ないように思います。
藤川アナ
確かに女の子のほうが多いような気がします。
井畑先生
多いと思います。
藤川アナ
そういうイメージがありますよね。遺伝というのは、お父さん、お母さんがシミやそばかすができやすい体質だと、それが子どもにも遺伝するということなのでしょうか。
井畑先生
今、話しているのはそばかすのことですが、そばかすではなくても、血縁関係のある方にシミが多いと、自分もその年代になったときにやはりシミができているケースというのはよくあると感じます。
藤川アナ
これは予防できるものなのですか。
井畑先生
患者さんに問診をすると、過去に日焼けをした方というのは、そのときは大丈夫でも、実はこういう時期に日焼けをしていましたというケースは多くあります。
藤川アナ
若いうちに、大丈夫だと思って日焼け止めクリームを塗らずに外で遊んでいると、いつかシミになって出てくるということですね。
井畑先生
はい、そうです。
藤川アナ
これは恐ろしい話ですね。
井畑先生
そのため、ある程度の予防ができませんかと言われると、やはり日焼け対策をするというのが一番大事になります。
藤川アナ
しかも、子どものころから日焼け止めをきちんと塗る習慣を付けておくというのは大事なことですね。
井畑先生
そうですね。肌がすごくきれいな女性の方がいらっしゃいますが、よく聞いていますと、かなり習慣的に日焼け対策をされていると思います。日傘や帽子、日焼け止めなど、そこまでしているのかというような方は、環境因子というか、親に教えてもらったりすることで対策をされているケースが多いと思います。
藤川アナ
日頃の努力は裏切らないのですね。
井畑先生
そうですね。
シミのメカニズムについて
藤川アナ
先生、シミにも大きいものと小さいものがありますよね。どうしてこういう大小の違いができるのでしょう。
井畑先生
あざの場合は別ですが、分かりやすく言うと、いきなり大きいシミになるということはまずないと思います。まず細かいシミができ始めて、点、点、点と目に見えるぐらいになり、それがある程度集結して、大きな形のシミになるケースがあります。日焼けによる加齢性のシミというのはそういうケースが多いです。
藤川アナ
シミが集まってくるということですか。
井畑先生
そういう事です。
藤川アナ
一つ一つのシミが大きくなって、つながっていくということですか。
井畑先生
はい。点々とした小さいシミのときは目がいきませんが、ある程度集合すると、老人性、加齢性のシミというのはすごく目立ちます。
藤川アナ
そういうメカニズムなのですね。シミがよくできる体の部位というのはやはり顔ですか。
井畑先生
そうですね。日光に当たる顔が一番多いと思います。特に顔の側面ですね。
藤川アナ
私もこめかみの所に少しできました。
井畑先生
そうでしたか。
藤川アナ
ええ。側面なのですね。
井畑先生
そこが盲点になるケースは意外と多いです。
藤川アナ
確かに、正面には日焼け止めクリームをしっかり塗るけれども、側面というのは塗り忘れる所なのかもしれないですね。
井畑先生
よく患者さんに聞いていると、髪の毛があるので、意外とその辺が塗れていなかったりする事が多いです。
藤川アナ
あるでしょうね。皆さん、側面もきっちりと塗ってくださいということですね。紫外線に当たらなくてもシミはできるのですか。
井畑先生
そうですね。先ほどお伝えしたそばかすや、後程お話するADMというタイプのものは、紫外線に関わらずできるケースは多いと思います。
藤川アナ
紫外線が全てのシミの原因とは言えないのですね。
井畑先生
紫外線が多少でも当たると、体の防御反応としてメラニンが増えますので、紫外線はシミの一つの増悪因子になると思っていただければと思います。
藤川アナ
もしもシミができてしまったら、どうすればいいのでしょう。
井畑先生
シミに対する治療というのを勧めています。
藤川アナ
やはりお医者さんに相談するということですよね。シミが気になってくると、ご本人もいろいろなことを試されるのだろうとは思いますが、まずはお医者さんに聞くのが近道ですよね。
井畑先生
そうですね。簡単にシミが取れる塗り薬というのはほとんど少ないと思いますので、レーザー治療やフォトフェイシャル治療といったものをご提案しています。
藤川アナ
分かりました。次回も引き続き、シミについてお話を伺います。きょうは大阪梅田フェミークリニック院長、井畑峰紀先生にシミについて詳しく教えていただきました。井畑先生、ありがとうございました。
井畑先生
ありがとうございました。